Artisans & More

2025/07/12 10:00

「パッケリを茹でる音が、週末のベルになった」

誰にも予定を入れなかった土曜日。
目覚ましも鳴らさず、コーヒーだけ淹れて、しばらくソファでぼんやりする。

——あ、そうだ。今日は“あれ”を作ろう。
猪ポルペッティのカルボナーラパッケリ
冷凍庫からミンチを取り出しながら、
“粗挽き超肉感”っていう商品名、すこし大げさじゃないかと思っていた。
……けれど、指先で丸めた瞬間、その考えは撤回された。
猪の弾力は、こちらの曖昧な気持ちをピンと張ってくれる。
パッケリが茹で上がる間、
白ワインをちょっとフライパンに流し入れて、
たまごとチーズと、ほんの少しの生クリームでソースを仕立てる。

混ぜすぎないこと。火を通しすぎないこと。

——それがカルボナーラの“やさしさ”なのだと、どこかで聞いた。

皿に盛りつけて、たっぷり削ったパルミジャーノの下から、
ころん、と現れるポルペッティ。
まるで、炭鉱から出てきた丸い宝石みたいで、思わず笑ってしまった。

こういう料理は、誰かと食べてももちろんいいけど、
ひとりで食べると、もっといい。

まるで、自分のためだけに組まれたコース料理の
“メインディッシュ”が出てきたみたいな気持ちになるから。

それにしても。
茹で上がるパッケリの音が、
週末の静けさの中で、ほんとうに綺麗に響いた。

あれは、台所のベルだ。

「お疲れさま、今日から休んでいいよ」って、そう言ってくれていた気がする。

✓Cooking note
猪ポルペッティのカルボナーラパッケリ|使用ジビエ:猪肉の旨味と弾力を引き出した粗挽き超肉感ミンチ
猪ミンチ(粗挽き超肉感)
パッケリ
パルミジャーノ
白ワイン
生クリーム(少々)
オリーブオイル、黒胡椒

✓Steps(手順)
猪ミンチを軽く丸め、オリーブオイルでソテー
パスタの茹で汁をソテーしたフライパンに入れて旨味を溶かす
茹でたパスタを加える
卵・チーズ・生クリームを加えて、火を止めた状態でやさしく混ぜる
皿に盛り、黒胡椒と追いパルミジャーノで完成
※火を入れすぎると卵が固まるので、フライパンを“ひと呼吸置いて”からがコツ。

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