Artisans & More

2026/10/19 10:00

頭から生まれる、端正なひと切れ

フロマージュ・ド・テットは、名前だけでは姿を想像しにくい。  けれど、フランスでは豚の頭肉を余さず味わう、古くからのシャルキュトリだ。頬肉やタンなどを塩漬けにし、約85℃で6〜7時間。強火で急が...

2026/10/16 10:00

一段の重箱から始まる、新年最初の冒険

蓋を開ける、という動作が、こんなに晴れやかになる箱はそう多くない。五つずつ、五列。25の小さな升に並ぶ料理は、まるで新年のために仕立てられた宝石箱だ。鹿、猪、ヒグマ、キョン、ウリ坊。肉が変われば香り...

2026/04/20 10:00

噛むほど旨い、という言葉の正体

炊き上がった茶碗を前に、少し黙ってしまうことがある。湯気が立ち、米粒がぴんと立っている。箸を入れた瞬間の、あの手応え。そして、噛んだ先で静かにふわりと立ち上がる甘みと香り——。「馥郁」という言葉があ...

2026/04/17 09:25

田んぼの土で、オカリナを作った男のこと

お米の変態、と呼ぶ人がいる。それは悪口じゃない。むしろ、最大の敬意だ。山下さんは、もともと骨董品屋だった。長い年月、「本物」と向き合い続けた人間の目は、どこか普通とは違う光を持っている。値段じゃな...

2026/03/11 00:00

【途中】本物は、だいたい偏愛が強い(ほめ言葉)

ジビエ界隈にいると、ときどき思う「この人たち、みんなちょっと偏ってる。」いい意味で。たとえば猟師さん。獲るところからすでに“流儀”がある。そして面白いのは、その流儀が日本全国、津々浦々で違うこと。血...

2026/03/06 22:31

“癖がない”は褒め言葉じゃないことがある

ジビエをべた人が、だいたい最初に言うセリフがある。「うわ、ない!」テレビでも、会食でも、友だちとのごはんでも。なぜかみんなここに着地する。たぶん、優しさなんだと思う。「思ってたより平気だったよ」っ...

2026/02/28 00:00

知らなかった世界に出会う ジビエという美味しい話 vol.4

「おもろい肉」を探しに、わたしは今日も山に心だけ置いてくるスーパーの精肉コーナーって、たまに不思議な気持ちになりませんか。豚肉も、牛肉も、きれいに整列していて、ラップの上からでも「ちゃんとしてる」...

2026/02/25 00:00

ジビエは味だけじゃない。“物語を食べる肉”だ

ジビエって、もちろん味がうまい。でも僕は、ときどき思うんです。ジビエの“うまさ”って、味だけじゃ説明できないって。たとえば——「一蘭」のラーメン、知ってます?個室みたいな席に通されて、目の前に“物語”が...

2026/02/21 00:00

一瞬のために、何日もかける。それでいい

料理って、ずるい。作るのは時間がかかるのに、食べるのはあっという間。「え、もう終わり?」って、箸を置いた瞬間に思う。で、作った側はたぶん、もっと思ってる。でもね。それでいいんだよね。本当においしい...

2026/02/18 00:00

流行は追うものじゃない。続けた人にだけ残る味がある

なんだろう。流行って、だいたい“あとから思い出すとちょっと恥ずかしい顔”をしてる。タピオカとか、ナタデココとか、僕の黒歴史フォルダにしれっと入ってるやつ。で、ジビエもね、確かに一時期、なんか流行った...

2026/02/14 00:00

“害獣だから食べる”の順番が、なんか違う

ジビエの話をすると、たまにこう言われる。「捨てられる肉だから食べるんでしょ」「もったいないから食べるんでしょ」「害獣だから、しょうがないよね」うん、わかる。わかるけど——その順番、なんか違う。ジビエ...

2026/02/07 20:00

知らなかった世界に出会う ジビエという美味しい話 vol.3

ジビエを知る、いちばん近くて遠い場所ジビエの世界を知る方法はいくらでもある。本を読む。料理人に聞く。猟師に会う。食べ比べる。たしかに、どれも正しい。それでも、わたしにとって「いちばよく知れる場所」...

2026/02/03 21:00

捨てる肉だから安い?——いや、むしろ手間が異常

ジビエの話をすると、けっこうな確率で言われる。「高い!」「なんでそんな高級なの?」そして、だいたいセットで付いてくるのが——「捨てる肉なんだから、安いんじゃないの?」という誤解。いやいや、逆です。安...

2026/01/27 21:00

好きじゃないと、語れない。ジビエはなおさら

コンビニのレジ前で、いつも思う。「このガム、噛みたくて買ってる人、どれくらいいるんだろう」って。だいたいの買い物は、必要とか惰性とか、ついでで成り立っている。でも“好き”だけは、ついでじゃない。つい...

2026/01/20 00:00

知らなかった世界に出会う ジビエという美味しい話 vol.2

——処理施設に行く前に、もう始まっていたこと「初めて加工処理施設に行った日のこと、覚えてる?」そう聞かれて、わたしは少し考え込んだ。正確な日付も、場所も、正直あやふやだ。たぶん数年前。シェフの人たち...

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