Artisans & More

2025/07/16 23:32

贈り物とギフトって、同じものを指してるはずなのに、どこか違う。

たとえば「お中元」は“贈り物”だけど、「ギフトセット」は“ギフト”だし。
「おばあちゃんからの贈り物」は胸の奥がきゅっとなるけれど、
「ギフト券」は財布が助かる。

響きのせいなのか、背景の文化なのか。
“贈り物”には和紙の手触りや、風呂敷の香りが似合っていて、
“ギフト”にはリボンやカード、そしてシュッとしたモダンな包装が似合う。

けれど、どちらにも共通するたったひとつのことがある。
それは、「誰かを想う」という、目には見えないあたたかさだ。

——なぜ、私たちは誰かに何かを贈りたくなるんだろう。

誕生日、記念日、お礼、はなむけ、ひょんな偶然。
理由はいろいろあるけれど、贈る理由なんて、実のところ「理由」じゃないのかもしれない。

あの人が笑ってくれそうだから。
この香り、あの人の好みかも。
そういう“理由未満の衝動”こそが、ギフトのはじまり。

言葉じゃ足りない気持ちを、包んで渡す。
贈り物とは、言葉の代わりに、心を手渡す行為なのかもしれない。

“モノ”以上の何かがある贈りもの

わたしの知っているとあるおじいちゃんは、毎年、奥さんの誕生日に、
庭で咲いたばかりのラベンダーを一輪、封筒に忍ばせて手紙を贈る。
プレゼントはそれだけ。なのに奥さんは、毎年うれしそうに笑う。
それを見て、孫たちが「やば、じーちゃんロマンチスト」と笑う。

モノは、気持ちを運ぶ「船」みたいなものかもしれない。
だからこそ、“何を贈るか”より、“どう贈るか”に、その人らしさが出る。

さいごに、そっと。

高価なギフトも、素朴な贈り物も、
根っこにあるのは「誰かに、ちょっとあったかくなってほしい」という願い。
その気持ちは、たぶん、贈った人より、贈られた人より、
世界の空気をすこしだけやさしくしてるんじゃないかと思う。

だから、今日の天気がよかったから。
そんな理由で、誰かに何かを贈ってみるのも、悪くない。

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