2025/08/09 10:00
「アランチーニって知ってる?」と誰かに聞かれて、
あぁ、あのライスコロッケでしょ、と答えたけれど。
今日、自分でつくってみて思った。
——これは“おやつ”じゃない、ちょっとした事件だ。
猪ミンチで炊いたサフランライスは、
パルミジャーノとバターが香り立ち、
もうそのままでも食べたくなる衝動をぐっとこらえて、丸める。
中までぎゅっと押し固めて、パン粉をまとわせて、
低めの温度でじっくり揚げる。
緑のパン粉と通常の衣で、まるで二色の果実のような仕上がり。

アランチーニは、イタリア語で「小さなオレンジ」を意味するらしいけど、
これはさしずめ、**“森で育ったオレンジ”**とでも呼びたくなる。
手のひらにのせたときの温もりと、
ひと口かじったときの、ザクッと音。
中からあふれる猪の旨みとサフランの気品。
これが“まかない”なら、イタリアの厨房に転職したい。
外はカリッと、中はとろり。
ピクニックにも、ワインにも、昼のうたた寝にも似合う。
なんだか、ちゃんと作るって楽しいなと、思わせてくれる料理だった。
◆Cooking note
イノシシミンチのアランチーニ|使用ジビエ:猪肉の旨味と弾力を引き出した粗挽き超肉感ミンチ
Ingredients(材料)
A:イノシシミンチ、米、玉ねぎ、サフラン、バター、パルミジャーノ、オリーブオイル、塩胡椒、チキンブイヨン
B:小麦粉、卵、パン粉(またはイタリアンパン粉)
◆Steps(手順)
Aの材料でリゾットを炊く
リゾットを冷まして丸く成形
小麦粉→卵→パン粉の順に衣をつける
120℃程度の油でゆっくり揚げる
※冷めてもおいしく、お弁当やパーティにもぴったりな“ジビエおやつ”。