2025/08/09 10:42
冷蔵庫にあるのは、猪ミンチとパスタだけ。
あとはオリーブオイルと、ほんの少しのイタリアンパセリ。
——そんな日も、悪くない。
粗挽きのイノシシミンチを、フライパンでほぐしながら焼いていくと、
油がゆっくりとにじみ出て、まるで“旨みのスープ”が生まれてくる。
そこへ、茹でているパスタの湯を少しだけ加える。
塩もバターもソースも加えず、
ただ、猪と小麦の対話にゆだねる。

この日のパスタはカサレッチェ。
ミンチがよく絡むし、歯ざわりも楽しい。
味見をして驚いた。
何も足していないのに、深い。
イノシシの脂は、主張が強そうだけど、実はとても“聞き上手”。
どんな食材とも対話するし、
一皿の中で、ちゃんと空気を読んでくれる。
仕上げにイタリアンパセリを散らして完成。
誰かに出すわけでも、SNSに載せるわけでもなく、
ただ、自分の腹と心を整えるためのごはん。
こういう料理に、ちゃんと感動してしまう夜は、
なんだか、自分の機嫌がよく保てている気がする。
◆Cooking note
猪ミンチのシンプルパスタ|使用ジビエ:猪肉の旨味と弾力を引き出した粗挽き超肉感ミンチ
Ingredients(材料)
イノシシミンチ(粗挽き超肉感)
パスタ(写真はカサレッチェ)
オリーブオイル
イタリアンパセリ(仕上げ)
◆Steps(手順)
フライパンにオリーブオイルを熱し、猪ミンチをほぐしながら炒める
パスタを茹でる(茹で汁は少し取っておく)
茹で汁を猪ミンチのフライパンに加えてなじませる
茹で上がったパスタを加えてよく絡める
器に盛り、イタリアンパセリをふって完成
※塩を加えるかどうかは、お好みで。
素材の“言い分”を聞いてから決めても、きっと遅くない。