2025/08/16 10:00
揚げ物は、うるさい——というイメージがある。
ジュワッと音がして、油が跳ねて、キッチンが騒がしくなる。
でも、今日の揚げ物は静かだった。
110℃の低温でじんわり火を入れた猪のポルペッティ。
淡い湯気のなかで、緑の衣がふわっと息をしているようだった。
パセリとパン粉をミキサーで合わせてつくった「緑の衣」。
その色がとにかくきれいで、
「映えるね」と言われる前に、自分で見惚れてしまった。

成形した猪ミンチは
“粗挽き超肉感ミンチ”という名のとおり、しっかりと存在感がある。
キャベツのやさしさと混ぜると、まるで春が包み込まれたような味になる。
カラリと揚げたてをひと口。
……静かなごちそう、という言葉がふと浮かんだ。
塩もソースもいらない。ただ、肉と野菜と緑の香り。
「映える」を越えて、「澄んでる」って感じ。
そんな料理が、たまにはいい。
◆Cooking note
猪のポルペッティ・ディ・ヴェルデ|使用ジビエ:猪肉の旨味と弾力を引き出した粗挽き超肉感ミンチ
Ingredients(材料)
猪ミンチ(粗挽き超肉感)
パセリ
パン粉(細)
キャベツ
卵
米粉
◆Steps(手順)
パセリとパン粉をミキサーでまわして緑のパン粉をつくる
猪ミンチと塩ゆでしたキャベツを合わせて成形する
ネタに米粉と緑のパン粉をまぶす
110〜125℃の油で、ゆっくりと揚げる
※低温で丁寧に揚げることで、パセリの色と香りが残ります。