2025/09/24 00:00
朝のニュースが流れる音の横で、フライパンを温める。
じゅっ、と鳴る前の静けさに、私はひらめく。
——猪は硬い、臭い、手間がかかる。
その“常識”、今夜まとめてひっくり返そう。
猪はやさしい。処理が速く、設計が正しければ
千葉・木更津の山系は、野生動物にとって理想的な食卓だ。
温暖な気候、実りの多い森、そしてドングリ。
ここで育った天然の猪は、脂が澄み、赤身にきれがある。
けれど「やさしさ」を決める本丸は捕獲から処理までの速度と精度。
体温が高いうちに清潔に運び、正しく放血し、素早く内臓を外す。
さらに熟成庫でタイミングを見極め、筋を丁寧に外してスライス。
この“段取り”がそろったとき、野生は驚くほど素直になる。
その結果として生まれたのが——
天然猪ロース 三種(塩麹/味噌/プレーン)。
無添加で、“焼くだけ”。そして100g×6の小分け。
平日の台所が、いちばん元気になる仕様である。
ところで、ジビエとは何なのか?
「ジビエ=クセが強い、硬い、扱いづらい」。
それは、処理のテンポを知らない頃の思い込みだ。
正しく扱われた野生肉の味は、透き通る。
雑味の幕が一瞬で開き、舞台に残るのは赤身の澄みと脂の甘み。
この商品は、その“幕開き”を家庭のフライパンに持ち込むための設計だ。
固定観念は、焦げる前に裏返す。
それだけで、今夜の常識は変わる。
三つの扉、今日はどれを開ける?
塩麹——麹のまろみ×レモンの切れ味
塩麹が繊維をほどき、セージの香りがすっと背筋を整える。
仕上げのレモンピールが脂の甘みをキュッと結んで、余韻は軽やか。
「硬い?」という心配は、ひと口で退場。
まずはそのまま焼くだけで、口どけの良さを確かめてほしい。
味噌漬け——甘辛と生姜、白米直行
火にかけると、甘みと香ばしさが同時に立ちのぼる。
生姜が余韻を引いて、茶碗の白が待ちきれない顔をする。
焦げ目の一歩手前が食べどき。
「臭い?」という懸念は、湯気の向こうで消える。
プレーン——素材の澄み、弾力の快感
塩・胡椒だけで堂々。
脂が端から透明にほどけ、面に艶が出たら合図。
薄く炙って土鍋ご飯にのせても、厚めに焼いて出汁茶漬けにしても、
赤身の張りと甘みがきちんと主張して、胃の機嫌は上々だ。
つまり——硬い? 臭い?
いいえ、焼きどきと設計がわかれば、猪はやさしい。
焼きの景色が教える“ひっくり返す瞬間”
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塩麹/味噌漬け:表面にうっすら焼き色、香りが変わる一瞬。
塩麹は湯気がまろみ、味噌は焦げる手前で香ばしさが頂点。 -
プレーン:脂が透明化→面につや→塩をひとつまみ、胡椒をひと振り。
難しい理屈はいらない。中火で数分、台所は勝手にいい顔になる。
100g×6。平日が主役になる分割
100gの小分け×6は、一人は一枚、二人は二枚という、台所のリズムそのもの。
来客の夜は、塩麹と味噌を並べて“食べ比べ”というエンタメを。
箱を開けたときのきちんと感は、そのままギフトに昇格する。
「猪肉 通販で迷うより、冷凍庫を充実させる」。
——その選択が、日常を少し上等にする。