Artisans & More

2026/01/13 20:00

ただ好きで作っている人がいる。それが本物だ

「好きには勝てない」って、わかってるのに、認めたくない日がある。
努力とか、根性とか、戦略とか、そういう言葉で自分を武装して、なんとか勝ってる気になりたい。けど——最後にぶち抜いてくるのは、だいたい“ただ好きな人”だ。

たとえば、岡田さん。
ジビエシャルキュトリーを作る、あの人。
会うたび思う。「この人、料理が好きすぎるな」と。
好きすぎて、ちょっと心配になるレベル。寝て起きても肉のことを考えてそうだし、
たぶん湯船でも塩加減を反芻してる。いや、ほんとに。

岡田さんの“利己”をかじる

岡田さんが作るジビエソーセージやテリーヌを食べると、変な順番で感想が出てくる。

「うまい!」の前に、
「岡田さん、これ作りたかったんだろうな……」が来る。

味がどうこうより先に、作り手の偏愛が口の中に立ち上がる。
それって、すごく贅沢だと思う。だって、食べてるのは肉だけじゃない。
岡田さんの“利己”——もっと言えば、究極に自分勝手な情熱を、こちらがありがたく噛みしめてる感じ。

無添加の加工肉って、正直、まじめすぎて退屈なこともある。
でも岡田さんのは違う。まじめなんだけど、退屈じゃない。
野生肉の味を「整える」んじゃなくて、「引き出して、立たせて、誇らせる」。

噛むと、森の冷気みたいな香りが一瞬スッと通って、
次に、脂がじわっとほどけて、
最後に「……あ、これ、作った人の顔が見えるやつだ」となる。

——ところで、ジビエとは何なのか?


ジビエは、鹿や猪などの野生鳥獣の肉。
個体差が大きい、季節で味が変わる、香りが揺れる。よく言われる。
もちろん、それも本当。
でも、ぼくは最近こう思う。
ジビエは“個体差”だけじゃない。“好き差”がある。
好きで好きでたまらない人が扱うと、野生は荒れない。
むしろ上品になる。野性味が消えるんじゃない。輪郭が出る。
「野生肉=クセ」って決めつけてた人ほど、静かに裏切られる。

変わってる人が、うまいを作る

岡田さんだけじゃない。
日本中にいる。変わってる人。尖ってる人。
「いや、そこまでやる?」って笑われても、やめない人。

そういう人が、地方食材おすすめの主役だったりする。
鹿肉通販を探してる人が最終的に辿り着くのは、スペックじゃなくて、
“誰が作ったか”の匂いだったりする。

そして不思議なことに、
その“偏愛”が、味以上の美味しさに化ける。

たぶん、食べ物って、栄養とカロリーだけじゃなくて、
人の「好き」が混ざった瞬間に、記憶になるんだと思う。

最後に、ちょっとだけ嫌なことを言う。

「好きでやってる人が最強」って、救いでもあるけど、呪いでもある。

だって、好きな人は、勝とうとしてないのに勝っちゃうから。

だから僕らは、せめてこう言うしかない。
「……くやしいけど、うまい」と。

そしてもし、岡田さんの“利己”を一度かじってみたくなったら。
それはたぶん、あなたの中にも「好きには勝てない」が芽を出した合図だ。

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