2026/02/03 21:00
ジビエの話をすると、けっこうな確率で言われる。
「高い!」
「なんでそんな高級なの?」
そして、だいたいセットで付いてくるのが——
「捨てる肉なんだから、安いんじゃないの?」という誤解。
いやいや、逆です。
安いどころか、手間が“異常”なんです。

山にあるのは、スーパーの棚じゃなくて“自然”だ
まず、肉が勝手に並んでない。
当たり前だけど、野生は“在庫管理”してくれない。
山の中に入って、どこにいるのかもわからない相手を追う。
自然と向き合って、運と技術と体力で、ようやく一頭。
ここがすでに「原価が高そう」って匂い、しませんか。
捕まえた後が、また長い
獲れたら終わり? ぜんぜん終わらない。
そこからが長い。むしろ本編。
大きな巨体を山から下ろして、加工処理施設へ。
そして施設では、一頭一頭ていねいに皮を剥ぎ、
食べられる生肉にしていく。
自動化? ほぼない。
一頭一頭、人の手で“肉”にしていく。
この時代に、こんなふうに命と向き合いながら
一つずつ食べものに変えていく仕事って、実はすごく少ない。
魚を一匹ずつお刺身にするのと、同じ種類の贅沢だと思う。
高い理由=うまい理由、でもある
手間がかかるから高い。
それだけじゃない。
手間がかかるから、うまい。
漁師さんが魚を締めるように、
ジビエも「扱い」で味が決まる。
猟師さん、処理施設の職人さん。
その仕事の積み重ねが、
「食べる理由」になって、
「使う理由」になって、
そしてちゃんと「おいしい理由」になる。
値段の話をするなら、先に“人の手”を見てほしい
ジビエが高いのは、気取ってるからじゃない。
人がやってるからです。
自然と向き合って、命と向き合って、
一頭一頭を肉にしている。
捨てる肉だから安い?
いや、むしろその逆。
この時代に残ってしまった、いちばん手間のかかる“ごちそう”なんです。
